もしあなたが鬱になったら? Log.02 「それは突然やってきた」
システムインテグレーター会社でSEとして働くNisyu。仕事のストレスから鬱になり、休業期間を経て職場復帰をした経験から「心身ともに健全」に生きることがどれほど難しく、そして素晴らしいことなのかを知りました。辛いプロジェクトのPMとして頑張るも4月のある日突然それはやって来ました。
それは突然やってきた
その日は月曜日でした。
新しい1週間の始まり。仕事の始まり。きっと誰もが思っている憂鬱な日。
月曜の朝は本当に辛いものです。昨日までの楽しい週末の思い出が頭をよぎり、あと少し眠りたいと思いつつも頭の奥では今日、今週の仕事の内容が次々と浮かんで来て、「あぁ、仕事に行かなくちゃ。。。」と重い体を起こします。
家を出て電車に乗りながらiPhoneの音楽で無理やり気持ちを高めて、何とかオフィスに到着します。聞き取れないような挨拶をしながら、自分の席に座ってメールを処理して、徐々に仕事モードに切り替わって、何とか月曜日が終わって。と誰もが同じ経験をしたであろう1日をその日も送るはずでした。
ただ、その日の朝はいつもと違いました。
不眠、早朝覚醒そして「体が動かない」
その日の朝はいつもと違い、目が覚めても起き上がることが出来ませんでした。
いえ、正確に言うと ”起き上がる気力が湧いてこない” という状態でした。
起き上がるのが面倒くさい「あぁ、また仕事か」といったような気怠さはいつものことでした。夜ぐっすりと眠ることが出来なくなってから半年は経っていたので、起きた時の眠気や頭の重さ(目の奥の方に何かが引っかかっているような状態)も「いつものこと」と思うようになっていました。
その当時の私は眠りについても、その日のやり残した仕事や翌日以降の仕事のことが、(文字通り)頭の中を駆け巡り眠るまでに2〜3時間を要していました。また、早く眠れたとしても夜中の2時に目が覚め、そこから再び眠りにつくまでに時間がかかっていました。
さらに起きる時間の数時間前に目が覚めてしまい、眠いけど眠れないまま出勤時間を迎える。こんな日が1週間の半分以上を占める生活でした。
そんな状態が半年近くも続いていたので、すっきりさっぱりと目覚めたのはいつだろう?という感覚でした。
でもその日は何と言うか、いつもと同じような体調だったのですが起き上がれるようで起き上がれない、そんな感覚でした。
「鬱になるとある日体が動かなくなる」という記事を読んでいたので「ついに来たか?」という感じでした。
でも思っていたのは本当に体が動かないという状態を想像していたので、この時は「そんなに酷くないのかな?」と思いもしましたが、「起き上がろうと思うことすら出来ない」という状態になっていました。
そして”一歩"休む決断
その日は仕事でも急ぎの対応は無かったので、一緒に仕事をしてくれている先輩や上司に、ひとまず午前中はお休みすることを伝え、そのまま寝転がっていました。
少し寝ていれば気力も回復するだろうと考えていました。しかし、一向にその兆しが見えて来ません。
その時の自分の判断は今でも正しかったと思っているのですが、最寄りの心療内科に電話して診断の予約をその日の午後に入れました。
「午後も休んで大丈夫かな?明日の朝はやく会社へ行けば大丈夫かな?」といったことを考えていました。
その時は先輩からも無理せず休んだ方が良いと言うメールをもらったこともあり、結局1日お休みすることにしました。
妻には体調が悪くて今日は休むと伝え、午後の診断の時間を待ちました。
初めて門をくぐる心療内科は自分が何かとんでもない世界に踏み込んでしまうようで、もう戻ってこれないようで怖くもあり、同時に自分の中だけで考えてた悩みが、本当にそうなのかを確認できるという期待と不安が入り混じった複雑な感覚でした。