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もしあなたが鬱になったら? Log.01 「Nisyuの場合」

Nisyuが「鬱(うつ)」と診断されたのは心療内科を受診して、ここ数ヶ月の症状を伝え、ストレスチェックを実施した後でした。

正確には「鬱状態(うつじょうたい)」という診断でしたが、心療内科の先生曰く「どちらでも同じ意味」とのことでした。

Nisyuは都内のシステムインテグレーター(*1)でシステムエンジニアとして勤務する30代の男性で、同年代の妻と2人の娘(4歳、1歳)と共に都内に購入した小さな1戸建で暮らしています。


*1.システムインテグレーターという仕事がどのようなものか、分かりやすい例えをするなら建築会社をイメージすると良いかもしれません。
お客様(クライアント)に建物のイメージを提案して、建物を設計して必要な資材や道具を調達し、工事をします。建物が完成した後は定期的なメンテナンス、水漏れ等何かあった時の対応、将来的に建て替える時の工事を行います。


ITの仕事と言うと「PCに向かって黒い画面に向かって文字列をひたすら打ち込んでいく」というイメージを持たれるかもしれません。(実際に映画では残り時間の少ない状況下で、額に汗を浮かべながらキーボードを必死に叩くITエンジニアの姿がよく描かれます)
確かにPCに向かって仕事をしますが、プログラムを入力するような事は全くなく、メールソフトとエクセルを多用するSEという立場でした。


SEという仕事は「家を建てる時の現場監督」と言い換えると分かりやすいかと思います。
家を建てると一言で言っても様々な工程と様々な役割の人が関わることになります。
 ・家の設計図は設計事務所が作成し
 ・柱を立てたり釘を打つのは大工さんが行い
 ・壁紙ははクロス屋さんが貼り
 ・窓ガラスはガラス屋さん(サッシ屋さん)が設置し
 ・ガス管は配管工さんが通す
といった具合に、様々な役割の人が分担して一軒の家を建てるわけですが、そうなってくると全体を把握している人が必要になります。(例えば、クロス屋さんに家のベランダに屋根を付けたいと言ってもわからないですよね?)


こうした場合に全体を通じて状況を把握して、それぞれの役割に人にうまく情報を連携していくのが現場監督の役割になります。
これがITの世界にもぴったりと当てはまります。
PCに向かってプログラムを入力する、と言うよりはお客様の要望を聞いたり、全体の作業状況の管理、業者間のやりとりのフォロー、お金の管理が主な仕事となります。


一見すると「現場で作業する人が一番大変で、調整だけなんて大したことない」と思えるかもしれませんが、実はこの役割が本当に大変で、思った以上にやることも多いのが実態なのです。


分かりやすい例が、飲み会の幹事です。
皆さんも飲み会に参加するのは楽しいとしても、その幹事となると「面倒だなぁ」とか「大変だなぁ」と思うのではないでしょうか。(そう、なぜなら大変だからなのです。)
参加する人のスケジュールをまとめ、開催日時を決定し、予算を決めたらお店とメニューを決定し、それを案内します。当日は急に来れなくなる人が必ずいるので、お店に人数変更の交渉をして、お金を集めます。会場では席を案内してオーダーを取り、挨拶を段取りよく進めなくてはなりません。最後は二次会に参加する人を数えて、急遽会場を探しに奔走します。
飲み会の幹事を例に出すと、調整役が大変なことは誰の目にも明らかだと思います。


システムインテグレーターの仕事が少し分かって頂けたところで、当時のNisyuが鬱になっていき、そこから復帰した(今も復帰している)一連の流れを振り返ってみたいと思います。

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この記事はNisyu自身の鬱体験と振り返ると共に、同じような悩みを抱えている方に、少しでも助けになりたいという思いから執筆しています。